GM-A+は前述のように国内では見ることがないマンドリンだ。アメリカでは入門、中級クラスだと思う。国内においては、このクラスは各楽器店のオリジナルブランドや国内ブランドが犇めいているので見かけることがないのだろう。珍しいのはけっしてブルーグラス専用というマンドリンではないようであること。
Rigelに近い感じだ。実際、このマンドリンのトップはRigelのPete Langdellが関与している。生産自体は中国の工場のようだ。サイド、バックも独特の削りだしで製作されており、見た目、音もF-5系とは明らかに違う。もっと、まろやかでF-5系のジャリジャリ感、瞬発感はない。ボリュームは十分にある。
明らかにリゲル系の音。で、リゲル系で割合、安価で買えるマンドリンは国内では皆無なので、希少だ。Rigel自体、国内ではめったに見かけない。
テールピースは独特で、弦を先端に引っ掛けるだけのもの。Gibsonタイプはテールピースに消音のパッドがついていることがある。また、独自のワンピースのテールピースを標準で装備したMichael Kellyは消音のためのゴムの部品を弦に挟み込むようにしている。これはリング効果を消して、ブルーグラス特有のカットを生かすためであろう。でも、RigelもGold Toneもそれはお構いなしのようだ。明らかに志向するものが違うのかもしれない。
ネックや各部はしっかりと作られている。部品の組み込みはやや荒い。このあたりは、ちょっと....。
バックを見ると材はそれほど高価なものは使っていないようだ。このあたりは、価格、材質、組み立てなどの兼ね合いがあるのであろう。アメリカでは$829で、GM-A+はGold Toneとしては高価なモデルだ。Gold Toneにはこのモデルの他にF-5タイプやエレクトリックのものなど多々あるが、このモデルは一見、Aタイプでシンプルではあるが、力を入れているモデルなのであろう。
そして、美しいモデルだ。
<仕様>
ネック:Maple トップ:スプルース サイド&バック:Maple単板フィンガーボード:カッタウェイ仕様エボニー
ボディーデザイン:Rigelパテント仕様ライセンスト。
ナット:ボーン テールピース:Rigelクウィックチェンジ
スケール: 13 11/16"
フレット:22
購入当時、Gold Toneの社長とメールのやり取りをしたことがあった。なぜ、そうなったかは覚えていないが。そのとき、彼が「日本での販売拡大の方法を模索している」というようなことを書いていた。それに対して「日本で、フラットのマンドリンはブルーグラスでの使用が中心なので、Gold Toneのタイプは難しいかも。沖縄とかはブルーグラスではないマンドリンの可能性があるかも?」というようなことを返信した覚えがある。
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